りゅうPON!
りゅうPON!てつがくカフェ参加者募集
毎週りゅうPON!の12ページに掲載されている「てつがくカフェ」がリアルに体験できます!
コーノさん(河野哲也・立教大学教授)とてつがく仲間の皆さんが、哲学対話の楽しさを伝えます。
日程:2023年2月26日(日)
場所:琉球新報ホール(那覇市泉崎1-10-3)
内容は2種類、どちらも定員30人です。
①哲学対話のすすめかた講座(午前10時~正午ごろ)
哲学対話を開催する際の進行役(ファシリテーター)のノウハウをお伝えします。
対象:学校の先生や児童センター職員など、興味のある人
②第7回りゅうPON!てつがくカフェ(午後2時~午後4時半)
対象:小学4~6年生、中学生、高校生。親子での参加もできます。
申し込みは以下のリンクから必要事項を入力してください。申し込みは2月21日まで。
問い合わせ・りゅうPON!担当 098-851-5190、ryu-pon@ryukyushimpo.co.jp
■1月1日付琉球新報 今年もこれ知っといた方がええやろがい! せやろがいおじさん×キムタツ先生 新春対談
りゅうPON!連載でおなじみのせやろがいおじさん(榎森耕助さん)、キムタツ先生(木村達哉さん)の対談ロングバージョンです。
★2023年の目標
キムタツ先生 僕はあちこちに講演に行きますが、榎森さんもずいぶんあちこちに行ってスタンダップコメディー やってるんですね。
せやろがいおじさん そうですね。今はネタをやりまくる時期で。2023年はもうちょっと広がりをつくりたい。先生やりたいことは。
キムタツ ー昨年、灘(中・高校)をやめました。ずっと芥川賞作家になってやろうとか、絵本作家になってやろうと思っていたんです。昨年は絵本を出したので、今年は小説ですね。
せやろがい 小説を書いた経験はあるのですか。
キムタツ 全然。絵本も、3年間大阪の専門学校通って絵を習って出した。小説はどこかに習うということはないんですけど、何本か書いて、いろんな所に応募して、それで認めていただければそれでいいと思いますし、認められなかったら書き続けるしかないですね。
せやろがい この年齢で芥川賞にチャレンジしようと始める人ってそんなにいないと思う。
キムタツ リップサービスの漫才はめちゃくちゃ面白いですね、正統派です。どこいっても通用する。
せやろがい これまでずっと賞レースに合わせたネタ作りをやっていましたが、脱賞レースということでコンビ活動はやっていこうという感じです。
★日米の笑いの違い
キムタツ それとは別にスタンダップとかいろいろやっておられるんですね。日本でまだ難しいと思うんですけど、やってみてどうですか。
せやろがい 何で難しいと思います?
キムタツ アメリカってある程度言い過ぎてもあまり炎上しない感じがするんです。同調圧力があんまりない。日本の場合は「こんなこと言いよった、けしからん」って言われて、芸人さんがやりづらくなっていないかなと思う。昔やったら「まあ芸人やから」と許されたけど、今は芸人さんでも言いすぎると炎上しやすいように思うんです。スタンダップってそのぎりぎりのところ行くような気がするんですけど。
せやろがい アメリカも多分、炎上はあるんですよ。ぎりぎりのライン突いて、越えてしまったり、ジョークがアウトとジャッジされたりすると一気に仕事を失ってしまうというか。ラインを越えるか越えへんかというのがスタンダップコメディー。日本は身内の話題を共有している感じ。人との違いを知って、人との考え方や目線の違いを知って笑うアメリカと、俺たち同じ目線を共有してるよねって笑う日本のお笑いというのは、すごく差はあるなと思っています。ウィル・スミスのビンタ問題あったじゃないですか。日本では割とウィル・スミス擁護の意見が多かったけど、アメリカでは、アカデミー賞の場で暴力に訴えた彼が悪いという意見が多い。アメリカではそういう意見が多いらしいよと伝えると、日本ではなんでやねん、おかしいやろと怒る人が多い。アメリカだと、日本ではこんな意見が多いらしいよと言うと「そうなの、面白いね」という。意見の違いを面白いととらえるか、異物ととらえるかみたいな。異物ととらえられる中で、意見の違い、目線の違いを日本でコメディーにするというのは、とってもやりがいがある。先生の絵本見ましたけど、同調圧力とかに対する問題意識が先生もあるのかなと思う。
キムタツ それはとってもありますよ。学校が長かったので。やっぱり、教室も先生方も含めて一つの潮流があって、そこに乗らないといけない。僕が生徒にずっと言ってきたのは、自分と違う意見のやつが出てきたときに「おお、こういうやつがいるんだ」というヒューマンウォッチもできるようにならんと面白くないと思うで、と。ただ「東大に行く、東大に行く」というのではなく、東大行けるけど生き物が大好きだから琉大に行くという考えもいいと思うし、海外に行ってみたい、でもいい。漁師さんになりたいというのもいいと思う。そんな話はしてきたんですけどね。学校って同調圧力のかたまりですよね。
★お正月、どうしてる?
キムタツ おかんは朝ずっと寝ててよくって、僕らは朝5時とか6時に起きてお雑煮とか作ってた。お雑煮が白味噌なんですけど、あんまり白味噌好きじゃなくて、いまだにお雑煮は白味噌やめて派ですね。
せやろがい おれはすましやったな。父ちゃん北海道の人やったんで。
キムタツ 遊びはたこ揚げとか、極めてトラディショナルなコマとか、べったん(めんこ)。
せやろがい 俺らの時代はドラゴンボールにのお菓子に付いてためんこがはやっていた。親戚みんなでじいちゃんちに集まって大人は酒盛り、子どもはお年玉もらって、みたいな。姉ちゃんの年齢に追い付いたけど同じ額になってない、という労働組合の賃上げ交渉みたいなことをしていた。
キムタツ 使い道は、しけた人間なんで、貯金して、本にしかお金使わないタイプだった。
せやろがい 何に使ったか覚えてないくらいしょーもないの買ってたと思う。カードとか、ゲームとか、欲望のままに。
キムタツ 僕は本を買ってほしいと思いますけど。講演してると、将来どうしていいか分からないという人多いんですけど、それだったらあちこち旅行したほうがいいよ、いろんな大人見て、こいついいなというやつに会った方ががいい。本や旅行に使ってほしいなと思いますけどね。
せやろがい 逆かもしれんけど、プレステとか買って、パッケージをペリペリとはがすときとか、箱を開ける感じとか、普段手の出せないものをお年玉で買って遊ぶときめきは、大人になると体験できない。ときめくままに使うといいと。なかなかあんなワクワクすることないじゃないですか。
キムタツ 本買って開けるときの気分と同じですね。
せやろがい 今の子ってゲームとかやって極めた先の出口がある気がするんです、ゲーム配信するとかプロゲーマーになるとか一握りだけですが。僕の時は特に何もない。今はうらやましい…もありますね。
★これ知っといた方がええやろがい
せやろがい 今、税金にしろ何にしろ、いろんな世の中の動きがあると思うが、いろんな情報を得てもその裏にある意図を読もうと思ったらすごく難しい。改めて最近思うのは、自分の住んでいる地域とか、住んでいる国のことを語れるようになることってすごい大事やなと。グローバルで活躍できる人材を求められて、世界のこと知らなあかん、と。世界に出て、あんたの国どうなの? と聞かれて語れない。ってなったら、改めて自分の住んでいる地域、国をつまんないと思わずに知っておくことが大事かなと僕は最近すごく思っている。沖縄のこと教えてって絶対言われるし。りゅうPON!でもやっているけど。今年1年の僕のテーマでもあるけど、もっと沖縄のこと知らないといけないなと思う。みんなもどない? って感じ。知ってみる1年にしたいと思っているので、みんなもよかったらご一緒しませんか。
キムタツ 僕イギリス行った時に「日本って無宗教の人が多いらしいけど、それって鎖国と関係ある?」と聞かれて、「それちょっとあんまり考えたことないよ」と言ったら、「お前、自分の国のことなのに知らないのか、It’s a shame!」と言われた。確かにそうかもしれないねと思って、帰ってから日本のこと調べたりするんですけど。
★受験生へ向けて
キムタツ 今の日本の教育って基本的には対策なんですよね。入試対策とか中間考査とか、僕たちの時代もそうだったけれど、今それが加速している。英語だったら、しゃべれるとかじゃなくて英検対策。そうすると試験終わるとどんどんダメになっていく、というケースになっている。しっかりと文章読むことが大切。本にしても新聞にしても、ネット記事でもいいんですけれど。自分の意見をまとめる、自分だったらどう。この著者さんや発信者はこう言っているが、自分ならどう思うんだろうか、自分ならどう発信していただろう、と考える習慣をつけること大事だと思う。試験対策的なこともやればいいけど、それは本当の考える力にはあまり結びつかない。覚えて終わりというケース多いですから。対策はしたくなる気持ちは分かるけどほどほどにしときはった方がいいんちゃうかという気がしますけど。
例えば過去問って二度と出てこない問題。過去問やるのは、単に過去の問題解いているだけ。そういうことは多分、あなたの行きたい学校は求めていないと思いますよ、というところじゃないかな。どんな人材に入学してきてほしいかというのを考えると、1日、2日前にたまたまやった問題をたまたまできたやつに入学してきてほしくないですよ。しっかりと物事を知って考えられるやつに入ってきてほしい。過去問やっておけば成績上がるんじゃないかと思っている人いるが、そんなことない。過去問題とかやり過ぎると、出題傾向変わると一気に答えられなくなる。例えば、野球でピッチャーのストレートを打つ練習ばかりして、よしストレート来いってなってるけど、いざ試合で変化球が来たら打てない。どんな球が来ても打てるようにしておいた方がいいんじゃないですかね。
せやろがい 中学受験のときは塾とか通って、ほんまに嫌々やっていた。自信あるのは「おれ、どこの学校に行っていても楽しくやっていたし」っていうこと。どこの学校に行ってたって、今のように楽しくやっていただろうと。
キムタツ それは大事ですよね。
せやろがい これ読んでいる人にも、思い通りの受験できた人とできなかった人いるかと思う。おれの好きな言葉で、「選んだ道を正解にしていくしかない」という言葉があって。その道を行くことになったら、その時点でその道が正解かどうかなんて分からないから、正解に自分がしていく、正解にしていける自分がいれば絶対楽しいから、そんな深刻に考えなはんなよ、という感じです。
キムタツ 第2志望、第3志望に行くと一気に不登校になるっていうケース多いですからね、その点では確かにそうですよね。
せやろがい 受験に合格した人は何も考えず、楽しくやりなはれですけどね。
★うさぎ年に思う「孤独」って
せやろがい おれ、36の年男ですわ。年賀状になんて書くんやろ、うさぎ年って。いのしし年の「猪突猛進」みたいな。
キムタツ 1人にすると死んでしまう…。
せやろがい なるほどなるほど。私を1人にしないでね、ってかまってちゃん過ぎるでしょ(笑)。ウサギってけっこう繁殖力強いですよね。年男として、少子化対策に貢献します。難しいな、新年号。まあでも、一段階飛躍できるような1年にしたい、というめちゃくちゃ置きに行ったコメントも用意しておきます。
キムタツ 繁殖の1年にするって(笑)。ウサギって寂しくさせると死ぬって言いますけど。僕は超絶1人が好きなんですよ。今すぐにスマホとかで連絡取れるんで、孤独になるのは難しいですね。今年も孤独を楽しもうと思っていますが、寂しいからLINE送ろうじゃなくて、1人の時こそ自分の人生をどうやってクリエートしていこうかなって思って考えるのが楽しいんじゃないかなと思いますけどね。
せやろがい 1人が好きな人はまあそれでいいとして、なんか日本は孤独大国というのも聞いたことあって、孤独担当大臣みたいなのもできていますけど。アメリカでは金はないけど、友達はおると。日本は金ないし友達もおらんみたいな、これがけっこうつらいと思うんですよ。友達おったら結構いけるやろと。自分の芸能人生でも金なんか全然なくて、オリジンの仲間たちに支えられて…ってこれ絶対書くやつ! おれは1人好きの寂しがり屋っていうめちゃくちゃめんどくさい人間なんですよ。
キムタツ 分かります。僕もそうです。連絡長いこと誰からも来ていないな~と思ったりしますよね。
せやろがい 1人が恋しい状態って1人じゃないからじゃないですか。ほんまに孤独な場合、誰も連絡できない、来てくれる人おらん。そういう人って1人が恋しくならないですよ。
キムタツ それがデフォルトになっているからですよね。
せやろがい 構ってくるやつおってうっとおしい、みたいなことって、幸せなことかもしれないですよね。うさぎ年に改めて考える。孤独を求められる幸せ。
キムタツ 本当は孤独じゃないけど、たまには孤独になってみたいなー、みたいな幸せ。
せやろがい ですよね。自由に飲み歩ける楽しさ、って「はよ帰ってきなさいよ」と言うてくれる人がおるから言えるみたいな。
キムタツ ずっと誰かとおれる、それはそれで幸せねんけど、子どもさんによっては、1人の時間を使うのがへたな人もやっぱりいっぱいいる。すぐにゲーム始めてしまったり。1人になった時の時間を面白おかしく使える、楽しく過ごすスキル身に付けはったらいいんじゃないかと思いますよ。友達は友達で大事にして。
★新聞を読んでいる小中学生へ
せやろがい 今はほんまに、後世に歴史の教科書に残るようなことが世界中、日本中、沖縄で起きている。後々、この時代の生き証人として、あのときどうだった? と聞かれると思います。勉強も忙しいと思うけど、今のうちに後に語れる言葉を獲得して、世の中の動きも新聞中心に見ていったらええんちゃうか。最後は新聞へのフォローを入れつつ。
キムタツ 僕はそれこそあほの一つ覚えみたいに言っていますけど、今はネットがあって情報があふれ過ぎているので、それこそ変なコメント欄見て、「そうだ」ってあたかも真実であるかのように思う人も増えているんですが、けっこうそうじゃないこともある。コメント欄て有象無象ですから。もっとしっかり新聞とか本とか読んで、しっかり勉強して役に立つ人材になってもらえればいいと思います。
10月23日付りゅうPON!
10月23日付りゅうPON!は沖縄いきものマスターの週ですよ。
今回はトントンミーと沖縄の言葉で呼ばれているミナミトビハゼの登場です。干潟でジャンプする姿、大きな飛び出た目玉は面白いですよね。巣穴の様子や、背びれの特徴など紹介しますよ。
そのほか、那覇市立古蔵小学校児童によるジュニア通信員、北海道の子ども記者のリポートもありますよ。よんでね~!